古民家のメリットは?
古民家のメリットについては、リノベーションすることを前提にお話しします。
古民家ならではの外観
まず一つ目が、「外観的な魅力」があるということです。古民家を魅力的に感じる方は、その独特の雰囲気が気に入って住みたいというの方が多いでしょう。
天井を見上げると立派に組み上げられた梁や、木材の味わいを感じることができる扉、細部にまでこだわった建築デザインなど、あげればきりがありません。現代の建物では、再現することはできても、長い年月を経てきた雰囲気を取り入れることはできません。独特の侘び寂びなど心癒される雰囲気と味わい深さがあります。
また建物だけではありません。多くの古民家は、その土地の風土や気候にあった建築方式になっています。風景に溶け込むような伝統的な美しさ、自然と調和した佇まいは、古民家ならではです。
古民家は機能美の宝庫
もう一つは、「機能美の魅力」です。古民家の魅力のひとつに藁ぶきの屋根があります。大きく張り出した軒は、夏の日差しを遮り、冬は建物の奥まで日射があたり、雨風から外壁を守ります。
残念ながら、我が家は茅葺きを葺き替えること(40年前に吹き替えに新築の家が1軒建つほどの経費がかかる)が困難として、亡父が茅葺屋根の上にトタンをかぶせてしまいましたが、古民家は、最大限に機能をもたせるために、一つ一つ細かいところにまで、大きな意味と役割があります。
多くの古民家は非常に風が通りやすく、夏涼しいのも魅力です。吉田兼好は、「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる…」と徒然草の中で書いています。風通しを考えた間取りであることも当然ですが、天然素材を使用していることで、建材自体の通気性も保たれているのが、現代建築では再現できないことです。風通しがよくなる設計をすることで、建物も良好な状態になります。
また古民家は、免震構造であることが多く、地震に強いと言われています。現代建築は耐震ですが、古民家は免震です。端的に言うと、揺れに対して耐えるのではなく、抵抗せずに一緒に揺られているのです。揺られることで、地震のエネルギーを外に逃がすことができます。この免震構造は、マンション、オフィスビルなどの商業施設などで採用されるようになってきています。また、病院や公共施設など災害時に重要性が増す建築物でもニーズが高まっています。
最後に、本物の自然素材で造られていることにより、健康的な建物ですので、当然シックハウス症候群の原因になるような建材が使われていることはありません。安心して住めるのも魅力です。
メリットだけでなく、どんなデメリットもあるかご覧ください。
→古民家のデメリットは?